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【白バイの速度と回避行動】 

 裁判所の認定では、白バイの走行速度が60km/h+α、衝突速度は30~60km/hとなっていますが、衝突速度が60km/hだとすると、白バイはほとんど減速しないで衝突していないことになります。
 これは、不自然だと言うことで、支援者は白バイの100km/hを越える走行速度(減速して60km/hで衝突)を主張しています。※1

→【白バイは速度超過だった?】

 しかし、減速せずに衝突することは、本当に不自然なことでなのでしょうか?

 検察(警察)側の鑑定では、白バイは右に車体をバンクさせた状態で、衝突したことになっています。※2
 これは、白バイが右旋回で回避を行ったということを意味します。
 現場の見通しは、最短でも約100mありましたから、仮に60km/hで走行していれば、これは確かに十分に停止可能な距離です。
 しかし、白バイは、直前になって旋回による回避を行った。
 バイクは急制動と急旋回は同時に行えません。

 (参考)
 コーナリング中のブレーキの効果
 http://blog.goo.ne.jp/sushi306/e/226e64d70758ee41534de880acc27a0f

 つまり、回避行動を開始するタイミングが致命的に遅れていたということになります。
 問題は、その理由です。

 運転中に、自分の予測を裏切る他車の動きに不意を突かれ、ヒヤっとした経験はありませんか?
 走行中、前方に路外から道路に進入してくる車を発見、その車が自車が走行中の車線手前で一端停止ないし減速をしたら、ドライバー(ライダー)としてはどういう判断をするでしょうか?
 前方の車がこちらに進路を譲っていると思っても不思議はないですし、そのまま減速せずにバスの前方を通過しようとしても不自然ではないでしょう。
 しかし、道を譲っているというのが「勘違い」で、前方の車の運転手はこちらを確認しておらず、再び前進ないし加速を始めたら?

 計算してみました。

 60km/h、摩擦係数0.8での停止距離は30.22m(空走距離12.5m、制動距離17.72m)
 http://www.asahi-net.or.jp/~Zi3H-KWRZ/carstop.html
 (摩擦係数0.8は、バイク用ハイグリップタイヤを想定しました)

 検察側の主張する衝突地点は、道路端から7.2m(路側帯含む)
 道路幅は路側帯1.0m、第1車線3.5m、第2車線3.5m、右折車線 3.0m
 http://w7.oroti.com/~inout/log/genbashashin/ph_12.html

 仮に、白バイが60km/hで走行していたとして、バスが道を譲っていると判断し、衝突地点手前30mまでそのまま走行していたとしたら、停止するだけの距離の余裕はなくなります(停止が無理なら、旋回で回避するしかありません)。
 60km/hで30mを進むのにかかる時間は、約1.8秒です。
 仮に、バスが第1車線と第2車線の境目付近に一旦停止して、再発進の1.8秒後に10km/hで衝突したとすると、加速度は約1.54m/s2、進む距離は約2.5mとなります。
 衝突地点は、道路端(路側帯含む)から7.0m付近となりますが(路側帯1.0m+第1車線3.5m+2.5m)、検察の主張では7.2mですから、矛盾があるとは言えないでしょう。
 再発進時の加速度についても、旅客輸送に適する加速度は0.2G(1.96m/s2)未満とされているそうですから、これも矛盾がある数字ではありません。

 (参考)
 バス運転のココロエ
 http://www.geocities.jp/untiyan/buskokoroe.html

 バスが第1車線と第2車線の境目付近で停止ないし減速し、優先道路を走行する白バイ側が、こっちが通過するまでバスが待っていると思って走行を続け、そこからバスが発進ないし加速して出てきたとしたら、白バイは、回避行動が致命的に遅れ、ほとんど減速せずに衝突してしまうという可能性も、十分に考えられると思います。
 もちろん、白バイ側が「だろう運転」だったと非難することはできますが、少なくとも、減速せずに走行を続けたことが不自然であるとまでは言えないでしょう。

 ※1
 現場写真に、検察側が主張する衝突地点に向かって長く真っ直ぐに伸びるブレーキ痕のようなものが写っているのもがあり、白バイの急制動(高速走行をしていた)証拠ではないかという主張がありますが、事故を起した白バイ(ホンダVFR800P)はABSが標準装備ですから、直線状の長いブレーキ痕は残らないでしょう。

 ※2
 警察の鑑定では、白バイとバスはほぼ90度(車体の向き)で衝突したとされており、白バイが旋回中ならば、衝突角度がおかしいという主張がありますが、衝突時のバスの姿勢が右向きであったのならば、白バイが右旋回中だとして、互いの走行ラインが90度で交わることに矛盾はありません。

→【バスの停止位置】

(追記)
●コリジョンコース現象の可能性?

 では、上記の仮説とは異なり、バスが停止や減速をせずに一定速度で前進していた場合は、白バイの回避行動が遅れる可能性はないのでしょうか?

 コリジョンコース現象とは、そのまま進み続ければ衝突するであろう一点に向かって等速直線運動をしている車両同士が、視界が良好な場合であってもお互いを早期に視認することが著しく困難であるというものです。
 人の視野には「有効視野」と「周辺視野」があり、「周辺視野」では動かないものは認知しづらいという特性があり、お互いに等速直線運動をしている場合は、自分から見て相手の見える角度(方向)が変わらない=見かけ上は止まっているために、視界内にあるにもかかわらず認識が遅れると説明されています。

 (参考)
 周辺視の特性
 http://www.signal-net.co.jp/2012/05/post-550.html

 本件の場合、白バイから見て、バスは正面に近い位置にいるため、認識が遅れるということは考え難いのですが、
コリジョンコース現象には、相手を認識していながら「止まって見える」という場合もあるようなのです。

 (参考)
 コリジョンコース現象で衝突? 幼稚園送迎バスが水田に転落
 http://response.jp/article/2003/01/29/22331.html
 『あたご』衝突事故はコリジョン・コースの認識不足?
 http://scienceportal.jp/news/review/0804/0804281.html

 白バイ隊員は、自車が優先で普通ならば相手が止まっているという状況であり、バスが低速で前進していたために、止まっているように錯覚した、という可能性があるのかもしれません。
 
 
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