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【裁判ではタイヤ痕はどのように認識されていたのか?】 

●一審でのタイヤ痕の認識

 これまで、警察、検察は、タイヤ痕は急ブレーキによるロック痕であると主張し、ネット上に登場した「斜行スリップ説」は、「不自然なタイヤ痕」の言い訳であり、裁判では二審で初めてその可能性に言及があった、と言われてきました。
 本当にそうなのでしょうか?

 裁判に提出された科捜研の算定書では、衝突後にバスの重心点の移動方向(角度)が変化したとして、計算が行われています。
 これは、一審の判決文でも言及されています。

(略)被告人運転車両の重心点の進路がずれる角度については、本件現場で撮影されたステレオ写真等を基にスリップ痕及び路面擦過痕の位置関係から被告人運転車両の前輪の進路がずれる角度を15度と認め、さらに被害者運転車両の速度が被告人により有利に算出されるように当該角度を25度とする場合も想定し、これを基に幾何学的検討をして重心点の移動角度をそれぞれ4度又は6度としており(略)
(地裁判決文14-15頁)

 そして、事故後の写真ではバスの前輪は、ほぼまっすぐ(若干右向)の状態です。

 (参考)
 http://littlemonky737.blog90.fc2.com/blog-entry-259.html
 http://blogs.yahoo.co.jp/littlemonky737/25491120.html

・前輪の進路がずれる角度は15~25度
・重心位置の移動角度は4~6度
・前輪の向きはほぼまっすぐ


 このような条件を満たす、バスは動きはどのようなものでしょうか?
 考えられるのは、回頭しながらの前輪の横滑りで、これは「斜行スリップ説」で言われている動きそのものです。

→【斜行スリップ説】

●バスの速度の認定

 科捜研が、タイヤ痕を横滑りによるスリップ痕と認識していたとしたら、算定書のように、急ブレーキのロック痕としてバスの速度を計算してしまうと、衝突時のバスの速度は、実際よりも速くなってしまいます。
 算定書では、衝突時のバスの速度は15.0~16.2km/hとなっています。
 しかし、裁判所はバスの速度を10km/hと認定しました。

本件認定にかかる衝突地点の位置、被告人運転車両の最終停止位置、その過程でスリップ痕が形成されていることを前提に概算すれば、衝突前の被告人運転車両の速度は時速約10キロメートル程度であったと認めるのが相当である。
(地裁判決文13頁)

 では、タイヤ痕を、通常のブレーキ+横滑りでできたものとして速度を計算していたらどうなるでしょうか?
 ブレーキがロックに至らない場合、タイヤと路面との摩擦係数は0.3~0.4です。
 この条件で計算すると、1mのタイヤ痕から算定される速度は、約10km/hになります。

 (参考)
 回転しているタイヤのコーナリング時の痕跡について
 http://kougakukanteiad.blog72.fc2.com/blog-entry-11.html
 スリップ痕から車速を計算する
 http://www5d.biglobe.ne.jp/Jusl/Keisanki/JTSL/TeisiKyori.html

 衝突時のバスの速度が遅くなると、計算上は白バイの衝突時の速度も遅くなるのですが、裁判所は、算定書の数字(28.0~54.0km/h)よりも高い、60km/h+αと認定しました。

(略)算定書の算定結果では、被告人に不利とならないように被害者運転車両の速度が高めに算出されるように設定した場合などを含めてもその速度は時速30ないし60キロメートルであるとされているところ、これは概算であり、しかも、算出されているのは衝突直前の速度であるから、被害者が衝突前に制動操作をした可能性をも考慮に入れれば、制動前の速度はこれよりは高かったと認めるべきではあるものの、相応の信用性が認められるというべきである。
(地裁判決文15頁)

 これは、白バイの速度を高めに設定しても、過失が認められるということでしょう。

→【バス側の過失について】

 
 問題なのは、以上のようなことは、科捜研の算定書を見ている事故鑑定人ならば、分かっていて当然である、ということです。
 しかし、弁護側は、タイヤ痕はブレーキロック痕(として捏造されたもの)であるして、急ブレーキ実験を行い、タイヤ痕が付かない証拠であると主張し続けています。
 弁護側事故鑑定人は、その資質と能力に大きな疑問があると言わざるを得ません。

→【裁判での弁護について】
→【弁護過誤?】
→【弁護側事故鑑定人の鑑定能力について】
→【走行実験について】
 
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