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【白バイの速度と回避行動】初版 

 裁判所の認定では、白バイの走行速度が60km/h+α、衝突速度は30~60km/hとなっていますが、衝突によりバスが「斜行スリップ」を起したと考えるならば、衝突時の速度は高い方が整合的です。
 しかし、衝突速度が60km/hだとすると、白バイはほとんど減速していないことになり、これは、不自然だと言うことで、支援者は白バイの100km/hを越える走行速度(減速して60km/hで衝突)を主張しています。
 しかし、減速せずに衝突することは、本当に不自然なことでなのでしょうか?

 検察(警察)側の鑑定では、白バイは右に車体をバンクさせた状態で、衝突したことになっています。
 これは、白バイが右旋回で回避を行ったということを意味します。
 現場の見通しは、最短でも約100mありましたから、仮に60km/hで走行していれば、これは確かに十分に停止可能な距離です。
 しかし、白バイは、直前になって旋回による回避を行った。
 バイクは急制動と急旋回は同時に行えません。
 つまり、回避行動を開始するタイミングが致命的に遅れていたということになります。
 問題は、その理由です。

 運転中に、自分の予測を裏切る他車の動きに不意を突かれ、ヒヤっとした経験はありませんか?
 走行中、前方に路外から道路に進入してくる車を発見、その車が自車が走行中の車線手前で一端停止ないし減速をしたら、ドライバー(ライダー)としてはどういう判断をするでしょうか?
 前方の車がこちらに進路を譲っていると思っても不思議はないですし、そのまま減速せずにバスの前方を通過しようとしても不自然ではないでしょう。
 しかし、道を譲っているというのが「勘違い」で、前方の車の運転手はこちらを確認しておらず、再び前進ないし加速を続けたら?

 計算してみました。

 60km/h、摩擦係数0.8での停止距離は30.22m(空走距離12.5m、制動距離17.72m)
 http://www.asahi-net.or.jp/~Zi3H-KWRZ/carstop.html
 (摩擦係数0.8は、バイク用ハイグリップタイヤを想定しました)

 仮に、白バイが60km/hで走行していたとして、バスが道を譲っていると判断し、衝突地点手前30mまでそのまま走行していたとしたら、停止するだけの距離の余裕はなくなります(停止が無理なら、旋回で回避するしかありません)。
 60km/hで30mを進むのにかかる時間は、約1.8秒です。

 検察側の主張する衝突地点は、道路端から7.2m(路側帯含む)
 道路幅は路側帯1.0m、第1車線3.5m、第2車線3.5m、右折車線 3.0m
 検察は バスが発進してから白バイと衝突するまで約5秒掛かっていると算出
 http://w7.oroti.com/~inout/log/genbashashin/ph_12.html

 単純計算では、衝突1.8秒手前は、第1車線と第2車線の境目付近です。
 バスがこの位置の手前で停止ないし減速をし、優先道路を走行する白バイ側が、こっちが通過するまでバスが待っていると思って走行を続け、そこからバスが発進ないし加速して出てきたとしたら、白バイは、回避行動が致命的に遅れ、ほとんど減速せずに衝突してしまうという可能性も、十分に考えられると思います。

 もちろん、白バイ側が「だろう運転」だったと非難することはできますが、少なくとも、減速せずに走行を続けたことが不自然であるとまでは言えないでしょう。

 (追記)
 仮に、バスが第1車線と第2車線の境目付近に一旦停止して、再発進の1.8秒後に10km/hで衝突したとすると、加速度は約1.54m/s2、進む距離は約2.5mとなります。
 衝突地点は、道路端(路側帯含む)から7.0m付近となりますが(路側帯1.0m+第1車線3.5m+2.5m)、検察の主張では7.2mですから、矛盾があるとは言えないでしょう。
 再発進時の加速度についても、旅客輸送に適する加速度は0.2G(1.96m/s2)未満とされているそうですから、矛盾がある数字ではないでしょう。

 (参考)
 バス運転のココロエ
 http://www.geocities.jp/untiyan/buskokoroe.html

 
 現場写真に、検察側が主張する衝突地点に向かって長く真っ直ぐに伸びるブレーキ痕のようなものが写っているのもがあり、白バイの急制動(高速走行をしていた)証拠ではないかという主張がありますが、事故を起した白バイ(ホンダVFR800P)はABSが標準装備ですから、直線状の長いブレーキ痕は残らないでしょう。

→【白バイは速度超過だった?】
→【バスの停止位置】



→【白バイの速度と回避行動】改訂版
  
 
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