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【斜行スリップ説に対する疑問】 

→【斜行スリップ説】

●白バイが衝突した衝撃でバスは動くのか?

 白バイの速度が速ければ、それだけ衝撃力も大きくなるのですが、裁判所が認定した60km/hで衝突した場合、バスの前輪が横滑りを起す可能性はあるのでしょうか?
 まず、バスの前輪を動かすのに必要な力ですが・・・

当時の車両総重量は、およそ8.5t程度、そのうち前軸重量は約2.5tと推定しています。
(リアエンジンの一般的なバスの前後重量配分 30:70 の比から推定しています)
 
http://minkara.carview.co.jp/userid/361768/blog/8443394/

 摩擦係数0.7として、前輪を動かすのに必要な力は、約1.75tということになります。
 次に、衝突の衝撃力ですが・・・

財団法人日本自動車研究所によると、重さ一・三トンの乗用車が時速百キロでコンクリート壁に衝突すると、約百トンの衝撃力が加わる。
http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sougou05/0428ke91810.html

 運動エネルギーは速度の二乗と重さに比例するので、白バイの総重量が300kgだとして、上記のデータに基づいて1300kg-100km/hの運動エネルギーと300kg-60km/hの運動エネルギーの比率(約12:1)から換算すると、白バイが速度60km/hで衝突した場合の衝撃力は、あくまでも単純計算ですが約8.3tということになります。
 実際は、衝撃力がそのままバスを動かす力になるわけではありませんが、それを考慮したとしても、少なくとも「動かない」とは言いきれないと思います。

 (追記)
 弁護側が行ったPCシミュレーション(下記動画 6:38-7:30)でも、白バイの衝突によってバスの前輪は横滑りを起しています。

 高知白バイ衝突死(30)裁判所の異例の提案…何だったの?(KSB瀬戸内海放送)
 http://www.ksb.co.jp/newsweb/series/kochi/2815

●タイヤ痕の長さについて

 裁判所の認定ではバスは衝突後3m前進していますが、タイヤ痕の長さは1mです。
 この点、衝突後2m前進してからタイヤが滑り出すのはおかしいという指摘がありますが、これは、必ずしも不自然な現象ではないと思います。

 自動車事故の衝突時間(衝突によって力が加わっている時間)は、0.1~0.2秒とされています。
 衝突時からバスは3m前進していますが、最初の2mはタイヤ痕がありませんから、この間はタイヤはグリップを失っていない(普通に前進している)ということになります。
 つまり、衝突時間を除いても、1秒程度(10km/hからの一定の減速で計算)は、何らかの理由で衝突によるエネルギーが吸収され、タイヤにグリップ限界を越えるような力が加わっていなかったということです。
 車体の破壊は衝突時間でほぼ終了していますから、車体の変形による吸収は考えられません。
 では、どのようなメカニズムでがエネルギーが吸収されたのか?
 考えられるのはサスペンションの働きです。

 つまり、バスの車体(ボディ)は衝突直後から左方向に流れますが、タイヤは、サスペンションを介してボディに追従するので、ボディと一体となっては動かない(滑らない)ということです。

 まず、衝突時間の0.1~0.2秒で、バスのボディに力が加わり、ボディは横方向に動き出します(衝突エネルギーの運動エネルギーへの変換)。
 もし摩擦等の抵抗がまったくなければ力を加え続けなくてもボディは動き続けますが、タイヤと路面との間に摩擦抵抗が生じていますから、タイヤとボディを繋いでいるサスペンションは傾きながら引っ張られる(伸びている)状態になっています。
 つまり、衝突で動き出したボディがサスペンションを引っ張り、サスペンションはボディに引っ張られ、傾きながら伸びてタイヤを引っ張るわけです(車体はロールします)。

 サスペンションが伸びている間は、ボディの運動エネルギーが吸収されていますので、その分、タイヤに伝わる力は軽減されていますから、タイヤを引っ張る力が路面との摩擦抵抗以下である間は、タイヤはグリップを失わず滑り出すことはなく、普通に前進するだけです。
 しかし、その間もタイヤは引っ張られ続けていますから、サスペンションによる力の吸収が間に合わなくなり、タイヤを引っ張る力が路面との摩擦抵抗を越えた瞬間、一気にタイヤが滑り出すことになります。

 ボディが動き出してから、サスペンションがエネルギーを吸収しきれなくなるまでの時間は、サスペンションのストローク量と、ストロークスピードによりますが、前者はスプリングのバネ定数(スプリングレート)、後者はショックアブソーバー(ダンパー)の減衰力に左右され、バネ定数が低いほどストローク量は大きく、減衰力が小さいほどストロークスピードは速くなります。
 バネ定数や減衰力のデータがないので、具体的な計算はできませんが、バスが横揺するときの感じ(大きくゆっくりとロールする)からすると、1秒という数字も、あり得ないと言い切ることはできないと思います。
   
 このときのバスの姿勢については、サスペンションとボディの取付部分が無可動で固定されていれば、サスペンションの傾きと車体の傾きは一致しますが、実際は、サスペンションと車体の取りつけ部分は可動します(角度が変わります)。
 白バイが衝突した位置(高さ)とバスの重心高から考えると、重心高の方が高いですから、衝突時にバスの車体自体(バネ上)はバスの正面から見て左に傾くはずです。
 先の考察の通りなら、サスペンションはタイヤが滑り出すまで正面から見て右に傾き続けます(傾斜が進行します)から、バスは車体とサスペンションが > 状(逆「く」字状)になりながらロールすることになります。

 (ロールのイメージ)
 https://www.youtube.com/watch?v=sCsQHAsZLF4
 https://www.youtube.com/watch?v=qaG7_jTOjhM
 https://www.youtube.com/watch?v=Eg58uYkOGzk

 (参考)
 衝突科学の基本
 http://www.e-kantei.org/ziko/koutu18.htm
 
 (追記)
 衝突してからタイヤが滑り出すまでのタイムラグは、計算上は約1秒になりましたが、制動停止時の空走距離算定でも、1.0秒という数値が使われているようです。
 これは、ブレーキを操作しようとしてから、実際に制動がかかるまでのタイムラグなのですが、タイヤのグリップ力に関する摩擦円の理論で考えれば、横方向の力に耐えていたタイヤが、制動がかかった瞬間にブレイクした(急にグリップを失った)という可能性も考えられます。

 
 http://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/max-speed/k_3/pdf/s5.pdf

 (参考)
 タイヤのグリップ力
 http://www.kurumano-gakko.com/drive/grip.html

 (追記2)
 弁護側が行ったPCシミュレーション(下記動画 6:38-7:30)でも、白バイの衝突によってバスの前輪は横滑りを起していますが、タイヤ痕がつかなかっと事故鑑定人が説明しています。

 高知白バイ衝突死(30)裁判所の異例の提案…何だったの?(KSB瀬戸内海放送)
 http://www.ksb.co.jp/newsweb/series/kochi/2815

 つまり、横滑りが起きても、タイヤ痕が残るかどうかは条件次第であって、横滑りした距離よりもタイヤ痕が短くても、必ずしも不自然だとは言えないということになります。
 
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