スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【バス側の過失について】 

被告人は(略)右方道路から進行してくる車両等の有無及びその安全を確認して同道路に進出すべき業務上の注意義務を怠り、(略)安全確認不十分のまま発進し、漫然と(略)同道路に進出して進行した(略)
(地裁判決文1頁)

被告人は、本件事故当時、大型バスを運転し、路外施設から路上に進出し、右折するつもりであった。被害者は、自動二輪車を運転し、被告人から見て右方から、第二通行帯を進行して本件事故現場に差し掛かろうとしていた。(略)
被告人が、本件現場において、路外施設駐車場を出発し、自歩道を越えて路上に進出しようとする際に、被告人運転車両運転席から右方の路上の見通し状況は、中央分離帯側において約98.6メートル、自歩道側において約168メートルであった。

(地裁判決文3頁)

 検察側の主張する衝突地点は、道路端から7.2m(路側帯含む)で、バスが発進してから白バイと衝突するまで約5秒掛かっていると算出しています。
 http://w7.oroti.com/~inout/log/genbashashin/ph_12.html
 衝突するまでの5秒というのは、衝突時の速度が10km/hとして、ゼロ発進から衝突するまで均等に加速した場合にかかる時間とほぼ一致します。※1

 検察側の主張(裁判所の認定)通り、バスが動いているときに白バイと衝突したとすると、バスの右折開始時点での白バイとの距離は、白バイの速度が60km/hで約83m、100km/hで約139m、120km/hで約167m。※2
 白バイの走行速度が60km/h(70km/h以下)だとすると、バスの発進時には白バイは死角から出ていますので、右方の安全確認を怠って道路に進入した過失が認められます。

 白バイの速度が70km/h以上であれば、バスの右折開始時点に死角に入っていたことになりますので、発進時に右方の安全確認を行っていたとしても白バイの接近は確認できません。
 しかし、見通しの最短が約100mだと、60km/hで走行している車が接近していたとして、死角から現れて約6秒で衝突地点に到達することになりますが、この時間的余裕では、バスは右折を完了する事ができません。
 つまり、横断右折中は右方の安全確認を怠ってはならず、接近車両を確認したら、当然ですが停止しなければなりません(この義務は、接近車両の速度とは無関係です)。

 白バイの走行速度が120km/hだとして、バスが発進してから、白バイが死角から現れるまでの時間は約2秒。※3
 7.2m/5秒の平均速度で計算して2秒で進む距離は約2.9m(加速過程があるので実際はそれ以下)。
 つまり、右方の安全確認を怠っていなければ、衝突地点の4m以上手前で白バイを発見できたことになります。
 10km/hからの停止距離は2.64m(摩擦係数0.7)です。
 http://www.asahi-net.or.jp/~Zi3H-KWRZ/carstop.html

 バスは、衝突前に十分に停止可能だったということになります。

→【白バイは速度超過だった?】
→【横断等禁止違反】

 ※1
 衝突までの時間がこれよりも短かったとすると、バスの右折開始時点での白バイとの距離も短かったことになります。
 発進してから衝突までの時間を4秒で同様に計算すると、白バイの速度が120km/hだとして、バス発進時での白バイとの距離は約133m、バスが発進してから、白バイが死角から出てくるまでの時間は約1秒、7.2m/4秒の平均速度で計算して、1秒で進む距離は約1.8m(衝突地点の約5.4m手前)です。
 5秒で計算したときよりも余裕があり、衝突までの時間が短い方がバス側に有利になるとは言えないことがわかります。

 ※2 ※3
 衝突時の速度が60km/hだとすると、60km/h以上で走行していたときは衝突までに減速していますので、白バイが死角から現れてからの平均速度は遅くなりますから、実際の距離は計算した数値より短くなります。
 つまり、バスが発進してから白バイが死角から出てくるまでの時間も、よりも短くなり、さらに手前で発見できることになります。

 (補足)
 この記事での考察は、「結果の回避可能性が存在しない場合、過失犯は成立しない」という判例理論をベースにしています。
 これは、仮に注意義務を怠らず、結果回避のための適切な行為があったとしても、結果発生を防止できたと言えないような場合は責任を問えない、というもので、この点は、起訴に際して検察も検討しているはずです。
 
 
スポンサーサイト

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://horatio2chsi.blog72.fc2.com/tb.php/23-0193a632

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。