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【再審請求/裁判官の「提案」? 】 

KSB 高知白バイ衝突死(28)異例・・・裁判官が新たな"提案"
https://www.youtube.com/watch?v=9s8JAc6L4zk
請求人主張の再構成(3:38-3:44、5:47-6:05)

 本件の再審請求では、弁護側が、警察による証拠の捏造を主張しています。
 刑事裁判の段階では、弁護側は、被疑者であるK氏を警察署に引致し、現場から引き離している間に、現場で警察官がタイヤ痕を捏造した(刷毛と飲料水で描いた)と主張しましたが、証拠写真の中に、引致前のK氏とタイヤ痕が写っているものがあったため、弁護側の主張は認められませんでした。
 再審請求では、弁護側は写真の捏造も主張し、証拠写真のネガの鑑定を請求しこれを行いました。
 弁護側の事前の説明によると、問題の写真はデジタル加工した画像をフィルム撮影したものであるから、ネガを顕微鏡撮影すれば、デジタル加工に起因するドット跡が確認できる、とのことでしたが、弁護側が依頼した専門家がネガを鑑定したところ、そのような痕跡は確認されませんでした。

→【実況見分と写真捏造疑惑】
→【三宅鑑定/ドット痕の有無】

 弁護側が裁判所に提出した鑑定書では、捏造が疑われるという内容にはなっていますが、「疑われる」程度では、再審請求に必要な「新証拠」にはなり得ません。

刑事訴訟法435条
再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができる。
(略)
6号 有罪の言渡を受けた者に対して無罪若しくは免訴を言い渡し、刑の言渡を受けた者に対して刑の免除を言い渡し、又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したとき。
(略)


 ドット跡が確認できなかったという鑑定結果により、弁護側は「写真捏造の証明に失敗した」ことになりますから、刑事裁判での証拠の捏造はなかったという判断は覆りません。
 したがって、再審請求が棄却となっても、問題はありません。

 しかし、理屈で言えば、タイヤ痕が本物であるからといって、そのことから直ちに、バスが動いていたということにはならないはずです。
 再審請求に提出された嘱託鑑定では、タイヤ痕は白バイが衝突したことによってバスの前輪が横滑りを起してできたスリップ痕とされています(急ブレーキ痕であることを否定しています)。

(参照)
http://littlemonky767.blog102.fc2.com/blog-category-11.html

 刑事裁判では、弁護側は、タイヤ痕はバスが動いていた証拠であるという前提で、タイヤ痕が捏造である(バスは止まっていた)と主張したために、タイヤ痕は本物である=バスが動いていた、となったのですが、仮に、止まっていたバスに白バイが衝突して、その衝撃でバスが動き出した(上記動画「請求人主張の再構成」では「滑走」)とすれば、タイヤ痕が本物であっても、衝突時に動いていたということにはなりません。
 ただし、この場合、バスの停止位置は、弁護側がこれまで主張してきた「最終停止位置」ではなく、「衝突位置付近」であったということになります。
 そして、バスの停止位置については、弁護側においても十分な検証が行われたとは言えません。

→【車内で撮影された写真】

 再審請求において、弁護側は刑事裁判での事実認定に間違いがあるとして、無罪を主張しているのですから、止まっていたバスに白バイが衝突して、バスが動き出したという可能性は、検討する意味があります。
 バスの停止位置が弁護側の主張と異なっていたとしても、バス側の過失の内容は刑事裁判での認定と異なってきますので、停止の状況如何では「無罪」となる可能性もあるからです。

→【参考判例】

 そういう意味では、今回、裁判官が示した「請求人主張の再構成」は、「提案」というよりは「争点整理」と考えるべきでしょう。
 止まっていたバスに白バイが衝突して、バスが動き出したという可能性を検討するとなると、衝突時にバスが止まっていたか否かを鑑定等で明らかにすることになるでしょう。
 もっとも、刑事裁判においても、衝突時にバスが動いていた証拠とされているのはタイヤ痕だけではなく、また、再審請求に提出された嘱託鑑定でも、衝突時にバスが動いていたことについて言及されており、衝突時の車両の動きについて、さらに詳細な鑑定を行ったとしても、衝突時にバスが止まっていたという結果にはならないと思われます。

→【裁判での弁護について】
→【バスが動いていた物的証拠】
→【バスの損傷状況】
→【白バイの破片の散乱状況】
  
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