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【斜行スリップ説】初版 

 タイヤ痕が捏造されたという主張に対して、実際に事故でタイヤ痕が付いたのではないかという主張(「横滑り説」「斜行スリップ説」などと呼ばれています)が、早い段階から掲示板等でなされていました。
 これは、衝突時(後)にバスが動いていた(動いた)ことが前提になっていますので、バスが衝突時前後を通じでバスが止まっていたとする弁護側の主張と対立する事となり、支援者からは「目の敵」にされましたが、掲示板やブログを見ればわかりますが、論者は、裁判で認められなかった弁護側証人の証言内容との整合性を取ろうとしており、弁護側に敵対するつもりはなかったようです。

 carview掲示板 高知の白バイとスクールバスの事故
 http://www.carview.co.jp/bbs/115/?bd=100&pgcs=1000&th=2868800&act=th
 いい日旅立ち-バス乗り
 http://minkara.carview.co.jp/userid/361768/blog/
 事故を高校物理で考える
 http://minkara.carview.co.jp/userid/351012/blog/

 「斜行スリップ説」は、バスの前輪前方に白バイが衝突した衝撃でバスの前輪が横滑りを起したというものです。
 ただし、バスが止まっている状態ですと、バスの後輪車軸の中央付近を軸とした回頭運動となり、前輪の軌跡は円弧状になります。
 では、バスが前進している状態でこの現象が起きたらどうなるでしょうか?
衝撃力で動いた分は、タイヤが横ズレした分であり、それが、タイヤが前進する事で縦に引き伸ばされたというイメージです、つまり・・・
・タイヤ痕の長さ1mまるまる白バイが動かしたというわけではありません。
・タイヤは回転しているので、タイヤ痕に溝は残りません。
・前進と横滑りの速度の変化で、タイヤ痕は湾曲します。
・前進に回頭運動が加わるので、タイヤ痕は平行線になりません。
・横滑りを起したのは前輪だけですから、後輪の痕が付かないのは当然です。


 路面にタイヤ痕が残るという現象は、タイヤがグリップを失い滑るときに起きます。
 タイヤのグリップについては、「摩擦円」で考えるとわかりやすいと思います。

 (参考)
 タイヤのグリップ力
 http://www.kurumano-gakko.com/drive/grip.html

 タイヤには「駆動力」「制動力」「コーナリング・フォース」が加わりますが、それらの合計がタイヤの路面との間で生じる摩擦力を越えると、タイヤは滑り出します。
 駆動力が過剰だと「ホイール・スピン」、制動力が過剰だと「ブレーキ・ロック」、コーナリング・フォース(旋回によって発生する遠心力)が過剰だと「ドリフト(スピン)」です。
 このコーナリング・フォース(遠心力)の代わりに、衝突による衝撃がタイヤに加わってタイヤのグリップ限界を越えたというのが、「斜行スリップ説」の考え方で、タイヤ痕が残るのに、必ずしも、急ブレーキやブレーキロックが必要ないということがわかります。

 「斜行スリップ説」に対して、10km/hの走行速度では、タイヤのグリップが失われる事はないという反論がありますが、それは、通常走行でのコーナリングの話で、衝突の衝撃が加わる場合は、通常走行とは条件が違う異なった現象になります。

 なお、上記のブログでは、白バイの速度が100km/h以上だったと結論付けていますが、これは、バスが止まっていたという証言に合致させるために、衝突と同時に何らかの理由でバスが前進(加速)を開始したと考えたためだと思われます。

(略)このスリップ軌跡の前提として、バスは停止状態で衝突したとしても、スリップ(スライド)中は加速をするなどして、それなりに前進していなければならないことになります。
http://minkara.carview.co.jp/userid/351012/blog/7843798/
(略)バイクの衝突速度は高く、バスの角度が大きい方が、バスが止まっていたとの主張に合致しやすい(略)
http://minkara.carview.co.jp/userid/351012/blog/7843961/

 また、バイクの速度は「旋回限界R」から速度を計算していますが、これはフルバンクの状態での旋回速度の話であって、バイクは旋回開始時点でいきなりフルバンクにはできません。
 つまり、同じ走行ラインを取るならば、実際は「旋回限界R」で計算した速度より、当然遅くなります。

 もちろん、白バイの速度が速ければ、それだけ衝撃力も大きくなるのですが、では、裁判所が認定した60km/hで衝突した場合、前輪が横滑りを起す可能性はあるのでしょうか?

財団法人日本自動車研究所によると、重さ一・三トンの乗用車が時速百キロでコンクリート壁に衝突すると、約百トンの衝撃力が加わる。
http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sougou05/0428ke91810.html

 運動エネルギーは速度の二乗と重さに比例するので、上記のデータに基づいて計算すると、重量300kg、速度60km/hの場合は、衝突時の衝撃力は、あくまでも単純計算ですが、約8.3tということになります。
 (補足)
 1300kg-100km/hの運動エネルギーと300kg-60km/hの運動エネルギーの比率(約12:1)から換算した数値です。

当時の車両総重量は、およそ8.5t程度、そのうち前軸重量は約2.5tと推定しています。
(リアエンジンの一般的なバスの前後重量配分 30:70 の比から推定しています)
 
http://minkara.carview.co.jp/userid/361768/blog/8443394/

 摩擦係数0.7として、前輪を動かすのに必要な力は、約1.75tということになります。

 実際は車両の変形等で衝撃が吸収されるので、衝撃力がそのままバスを動かす力になるわけではありませんが、それを考慮しても、少なくとも「動かない」とは言いきれないと思います。

→【白バイの速度と回避行動】

 (追記)
 「斜行スリップ説」に対する疑問として、裁判所の認定ではバスは衝突後3m前進しているが、タイヤ痕は1mしかないのはおかしい、というものがあります。
 しかし、これは、車両の損傷による衝撃吸収や、タイヤに力が加わってもグリップ限界を越えるまではスリップしないということを考えれば、衝突と同時に滑り出すわけではなく、タイヤ痕が短くなるのは、むしろ当然であることがわかります。
 車両の破壊等による衝撃の吸収量や時間等についてのデータがないので、ここでは具体的にタイヤ痕の長さを計算することはできませんが、少なくとも、衝突と同時に滑り出す(タイヤ痕が付く)というのは不自然だと言うことはできます。


 
→【斜行スリップ説】改訂版
→【斜行スリップ説に対する疑問】
 
 
 
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