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【参考判例】 

 路上に停止して右折待ちをしていた車両(普通車)と直進車(バイク)との衝突事故で、普通車側が起訴され無罪となった事案です。
 裁判所の判断(無罪の要件)は、本件の弁護側の主張を検討する際の参考になると思います。

平成18年9月25日 東京地裁 判決
平18(刑わ)1463号
業務上過失傷害被告事件

1 本件公訴事実の要旨
(略)
2 認定事実
(1) 関係各証拠によれば、以下の事実は十分認定することができ、これを覆すに足りる証拠はない。
〈1〉 公訴事実記載の交通事故(略)の発生現場は、発生現場は、東西に走る幅員約4.9メートルの道路(略)と南北に走る幅員約16.55メートルの片側2車線の道路(略)が丁字型に交差する信号機により交通整理の行われていない交差点(略)である。東西道路の本件交差点手前には一時停止の道路標識が、(南北道路)の本件交差点内には車両通行帯がそれぞれ設置されており、(南北道路)が優先道路となっている。本件事故当時は晴天で、アスファルト舗装された(優先道路)の路面は乾燥状態であった。
〈2〉 被告人は、本件事故当時、自己が運転する(普通自動車で)本件交差点に差し掛かり、右折の合図を出した上、上記〈1〉記載の一時停止標識の手前で一時停止をした。そして、本件交差点手前の横断歩道上に歩行者がいなかったことから、徐行して前進し、(優先道路)の左右を確認できる地点で再び一時停止した(以下、この地点を「2回目の一時停止地点」という。)。
〈3〉 その後被告人は、2回目の一時停止地点で、(優先道路)の左右方向から本件交差点に走行してくる車両が途切れ、右方(略)から本件交差点に向かって走行してくる車両が存在しないことを確認した後、右折するため被告人車を発進させ、本件交差点に時速約5キロメートルで進入したところ、左方(略)から車両が二、三台走行してきたため、同車をやり過ごすため、(優先道路)の中央線手前付近で停止したところ、その約5秒後、Aが運転(略)する普通自動二輪車(以下「A車」という。)が被告人車の運転席扉の後部付近に衝突し、(Aが)公訴事実記載のとおりの傷害を負う本件事故が発生した。
〈4〉 本件事故発生の際、被告人車が停止していた位置は、(優先道路)の中央線側の車線上で、同車線を塞ぐかたちになっていたが、被告人車の右後方である歩道側の車線には、A車が十分通行できるスペースが残っていた。
〈5〉 被告人車は、衝突箇所である運転席扉の後部付近のほか、右側後部の扉付近が大きく凹んでおり、また、衝突地点の手前から約17メートルに渡り、A車のスリップ痕が(優先道路)の路面上に印象されていた。なお、(優先道路)は、(右)方向から本件交差点に向かってほぼ直線であり、(衝突地点は)約83メートル離れた地点(略)からでも十分視認することができた(略)。
(略)。
(2) (略)
被告人車は、左右道路から本件交差点に走行してくる車両が途切れるのを待って右折を開始したところ、(左)方向から車両が二、三台走行してきたため、一時停止を余儀なくされたことに照らすと、検察官主張のように車両が連続して進行してきていたかはともかく、左方向からそれなりの交通量があったものと認められる。
(略)
3 争点
弁護人は、被告人には過失がないとして無罪を主張するところ、以上の認定事実を前提にすると、本件の争点は、結局のところ、被告人が、被告人車を運転し、2回目の一時停止地点から右折すべく発進する時点ににおいて(優先道路)の中央線手前付近で一時停止をした際A車が被告人車に衝突することを予見できたかどうかという予見可能性の有無であると解される。
4 当裁判所の判断
(1) 上記の予見可能性の有無を判断するについては、A車の進行状況が重要な事実であるから、まずこの点につき検討を加える。
ア 前記認定のとおり、〈1〉衝突地点の手前からA車のスリップ痕が約17メートルに渡って印象されていること、〈2〉本件事故当時(優先道路)の路面は乾燥状態であったこと、〈3〉被告人車は、運転席の扉から右側後部の扉にかけて相当程度損傷を受けていることなどの事実を併せ考慮すると、A車は、制限速度である時速60キロメートルを上回る速度で進行していたことは明らかである。
イ (略)そうすると、仮に、A車が本件事故発生前時速約80キロメートルで走行していたとしても、(約83m手前で)被告人車はすでに本件交差点内で一時停止していて容易に発見できる状況にあり、Aが、その時点で被告人車を発見していたとすれば、制動を掛けて被告人車の手前で停止するか(略)、あるいは適宜速度を調節した上ハンドル操作をして被告人車の後方(歩道側車線)を進行するなどして、被告人車との衝突を回避することは十分可能であったものと認められる。
ウ 以上検討したところを総合すれば、A車は、本件事故発生前、制限速度を大幅に上回る高速度で走行しつつAが進路前方の注視義務を怠ったか、もしくは、制限速度を超える速度で走行しつつAが進路前方の注視義務を著しく怠ったか、いずれにせよ通常予想できない異常な走行をしていたものと認めざるを得ない。
(2) 予見可能性の有無について
ア 以上を前提として、本件の争点である予見可能性の有無について検討すると、検察官は、要するに、被告人は、2回目の一時停止場所から再発進して右折進行するに当たり、本件交差点内で右折を完了することなく停止するようなことがあれば、A車の進路を塞ぎ同車が衝突することについて予見することができたと主張するのである。
イ ところで、優先道路と非優先道路とが交わる交差点において、非優先道路を進行する車両が優先道路に向かって右折する場合、交差点内に進入する際には徐行した上、優先道路を走行する車両の進行を妨げてはならない義務がある(道路交通法36条2項、3項参照)。したがって、非優先道路を通行する車両の運転者において、右方から交差点に向かって走行する車両を確認した場合には、交差点内への進入を差し控えて、右方から進行してくる車両の走行を妨げてはならないことは明らかである。
ウ また、前記説示したとおり、当時(優先道路)の左方向からはそれなりの交通量があり、しかも、被告人車は、実際に、左方向から車両が二、三台走行してきたために本件交差点内で一時停止を余儀なくされたことに照らすと、被告人の左方の安全確認が必ずしも十分でなかったことは否定できない。
エ しかしながら、先に検討したとおり、〈1〉被告人は、本件交差点進入前に右方の安全を十分確認し、(右)方向から本件交差点に向かって進行してくる車両が存在しなかったことから本件交差点内に進入しており、少なくとも右方から進行する車両の進行を妨害しないよう配慮を尽くしていること、〈2〉本件交差点の(優先道路からの通しは)かなり良好であり、(優先道路)を進行する車両が本件交差点内に一時停止している被告人車を発見することは、かなり遠方からでも容易であったこと、〈3〉被告人は、本件交差点内において、被告人車右後方の歩道側車線上に、A車が安全に通過できる余地を残して停止していることなどの本件における事実関係の下においては、被告人は、2回目の一時停止場所から再び発進する時点において、通常予想できない異常な走行をしていたA車が、右折すべく(優先道路)中央線手前付近で一時停止した被告人車に衝突する可能性があることまで予見することはできなかったというべきである。
 なお、被告人の左方の安全確認が不十分であったことは前述したとおりであり、そのため、被告人車が本件交差点内で一時停止を余儀なくされ、結果的にA車が被告人車に衝突するに至ったことは否定できない。
しかしながら、被告人が、2回目の一時停止地点から再発進する時点において、(優先道路)中央線手前付近で一時停止した際右方から進行してくるA車が被告人車に衝突することを予見することが不可能であったことは上記のとおりである。また、A車においても、優先道路を通行していたとはいえ、本件交差点に進入する場合には、同交差点の状況に応じて通行車両等に注意し、できる限り安全な速度と方法で進行すべき義務は免れないのであって(道路交通法36条4項)、被告人において、これを著しく逸脱したA車のような異常な走行をする車両があることまで予見すべき義務はなかったというべきである。したがって、被告人の左方の安全確認が不十分であったことをもって、被告人に本件事故発生についての予見可能性・予見義務を認めることはできない。
オ (検察官の主張)この点に関する検察官の主張は理由がない。
カ (検察官の主張)いずれも被告人に本件事故発生についての予見可能性を認める根拠となるものとはいえない。
(3) 過失に関する結論
以上のとおり、本件事故発生当時の状況に鑑みると、被告人は、2回目の一時停止場所から右折すべく再び発進する時点において、異常な走行をしていたA車が、本件交差点内で一時停止中の被告人車に衝突する可能性があることまで予見することはできなかったと認められるから、このような予見可能性があることを前提に被告人に公訴事実記載のとおりの注意義務があるとする検察官の主張は、その前提において是認できないものといわなければならない。したがって、被告人に公訴事実記載の過失は認められない。
5 結論
以上の次第であり、本件公訴事実については犯罪の証明がないことになるから、刑事訴訟法336条により、被告人に対し無罪の言渡しをする。
 
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【図】 

再審請求に対する高知地検意見書
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回避ライン
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右折ライン
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真実の停止位置?
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内輪差
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①-2 http://blog-imgs-68.fc2.com/h/o/r/horatio2chsi/201406071538503e2.jpg
①-3 http://blog-imgs-68.fc2.com/h/o/r/horatio2chsi/20140611163413db8.jpg
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最小回転半径(isuzu ガーラミオ)
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http://blog-imgs-68.fc2.com/h/o/r/horatio2chsi/201406111636083ac.jpg 右後輪
http://blog-imgs-68.fc2.com/h/o/r/horatio2chsi/20140615094822a76.jpg 右前輪

交差点の中心?
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支援者が主張するバスの右折ライン?
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③-2 http://blog-imgs-68.fc2.com/h/o/r/horatio2chsi/201405291638262a5.jpg
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④-x http://blog-imgs-68.fc2.com/h/o/r/horatio2chsi/20140605171658992.jpg
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a) http://blog-imgs-68.fc2.com/h/o/r/horatio2chsi/201406150950573bd.jpg
a-1 http://blog-imgs-68.fc2.com/h/o/r/horatio2chsi/20140615095221e7c.jpg
b) http://blog-imgs-68.fc2.com/h/o/r/horatio2chsi/201406211534129b8.jpg

isuzu gala mio 外観図 配置図
http://www.isuzu.co.jp/product/bus/galamio/pdf/galamio_sunpou.pdf

左方視界
http://kochi53.blog.ocn.ne.jp/photos/uncategorized/2010/04/04/1.jpg
最終停止
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真実の停止位置?
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参考URL
http://0032.fc2web.com/lesson04.htm
http://0032.fc2web.com/lesson13.htm
http://www.honda.co.jp/safetyinfo/child/child05.html
http://usedtrucks.blog.fc2.com/blog-entry-202.html
http://www.kictec.co.jp/case/intersection/
http://www.sekisuijushi.co.jp/products/road_safety_pp/teian02.html

支援者URL(生徒撮影写真について)
http://blogs.yahoo.co.jp/littlemonky737/69152786.html

支援者twitter
https://twitter.com/kareria/status/474646270892470272

白バイの最終位置
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バス左タイヤの軌跡
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バス右タイヤの軌跡
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白バイとバスの損傷位置との関係
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白バイとバスの位置関係
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http://blog-imgs-34.fc2.com/h/o/r/horatio2chsi/20090904125622f37.jpg
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都営バス品99
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http://blog-imgs-68.fc2.com/h/o/r/horatio2chsi/20140607154412958.jpg

横滑りによる回頭運動とタイヤ痕形状のイメージ
http://blog-imgs-38.fc2.com/h/o/r/horatio2chsi/20091230105130846.jpg
 
週間ナックルズ「刑事の正体」(2009/02)「高知県警の捏造 一部始終!」(原作 柳原三佳) p.2
http://blog-imgs-62.fc2.com/h/o/r/horatio2chsi/np2.jpg 
 

【斜行スリップ説】初版 

 タイヤ痕が捏造されたという主張に対して、実際に事故でタイヤ痕が付いたのではないかという主張(「横滑り説」「斜行スリップ説」などと呼ばれています)が、早い段階から掲示板等でなされていました。
 これは、衝突時(後)にバスが動いていた(動いた)ことが前提になっていますので、バスが衝突時前後を通じでバスが止まっていたとする弁護側の主張と対立する事となり、支援者からは「目の敵」にされましたが、掲示板やブログを見ればわかりますが、論者は、裁判で認められなかった弁護側証人の証言内容との整合性を取ろうとしており、弁護側に敵対するつもりはなかったようです。

 carview掲示板 高知の白バイとスクールバスの事故
 http://www.carview.co.jp/bbs/115/?bd=100&pgcs=1000&th=2868800&act=th
 いい日旅立ち-バス乗り
 http://minkara.carview.co.jp/userid/361768/blog/
 事故を高校物理で考える
 http://minkara.carview.co.jp/userid/351012/blog/

 「斜行スリップ説」は、バスの前輪前方に白バイが衝突した衝撃でバスの前輪が横滑りを起したというものです。
 ただし、バスが止まっている状態ですと、バスの後輪車軸の中央付近を軸とした回頭運動となり、前輪の軌跡は円弧状になります。
 では、バスが前進している状態でこの現象が起きたらどうなるでしょうか?
衝撃力で動いた分は、タイヤが横ズレした分であり、それが、タイヤが前進する事で縦に引き伸ばされたというイメージです、つまり・・・
・タイヤ痕の長さ1mまるまる白バイが動かしたというわけではありません。
・タイヤは回転しているので、タイヤ痕に溝は残りません。
・前進と横滑りの速度の変化で、タイヤ痕は湾曲します。
・前進に回頭運動が加わるので、タイヤ痕は平行線になりません。
・横滑りを起したのは前輪だけですから、後輪の痕が付かないのは当然です。


 路面にタイヤ痕が残るという現象は、タイヤがグリップを失い滑るときに起きます。
 タイヤのグリップについては、「摩擦円」で考えるとわかりやすいと思います。

 (参考)
 タイヤのグリップ力
 http://www.kurumano-gakko.com/drive/grip.html

 タイヤには「駆動力」「制動力」「コーナリング・フォース」が加わりますが、それらの合計がタイヤの路面との間で生じる摩擦力を越えると、タイヤは滑り出します。
 駆動力が過剰だと「ホイール・スピン」、制動力が過剰だと「ブレーキ・ロック」、コーナリング・フォース(旋回によって発生する遠心力)が過剰だと「ドリフト(スピン)」です。
 このコーナリング・フォース(遠心力)の代わりに、衝突による衝撃がタイヤに加わってタイヤのグリップ限界を越えたというのが、「斜行スリップ説」の考え方で、タイヤ痕が残るのに、必ずしも、急ブレーキやブレーキロックが必要ないということがわかります。

 「斜行スリップ説」に対して、10km/hの走行速度では、タイヤのグリップが失われる事はないという反論がありますが、それは、通常走行でのコーナリングの話で、衝突の衝撃が加わる場合は、通常走行とは条件が違う異なった現象になります。

 なお、上記のブログでは、白バイの速度が100km/h以上だったと結論付けていますが、これは、バスが止まっていたという証言に合致させるために、衝突と同時に何らかの理由でバスが前進(加速)を開始したと考えたためだと思われます。

(略)このスリップ軌跡の前提として、バスは停止状態で衝突したとしても、スリップ(スライド)中は加速をするなどして、それなりに前進していなければならないことになります。
http://minkara.carview.co.jp/userid/351012/blog/7843798/
(略)バイクの衝突速度は高く、バスの角度が大きい方が、バスが止まっていたとの主張に合致しやすい(略)
http://minkara.carview.co.jp/userid/351012/blog/7843961/

 また、バイクの速度は「旋回限界R」から速度を計算していますが、これはフルバンクの状態での旋回速度の話であって、バイクは旋回開始時点でいきなりフルバンクにはできません。
 つまり、同じ走行ラインを取るならば、実際は「旋回限界R」で計算した速度より、当然遅くなります。

 もちろん、白バイの速度が速ければ、それだけ衝撃力も大きくなるのですが、では、裁判所が認定した60km/hで衝突した場合、前輪が横滑りを起す可能性はあるのでしょうか?

財団法人日本自動車研究所によると、重さ一・三トンの乗用車が時速百キロでコンクリート壁に衝突すると、約百トンの衝撃力が加わる。
http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sougou05/0428ke91810.html

 運動エネルギーは速度の二乗と重さに比例するので、上記のデータに基づいて計算すると、重量300kg、速度60km/hの場合は、衝突時の衝撃力は、あくまでも単純計算ですが、約8.3tということになります。
 (補足)
 1300kg-100km/hの運動エネルギーと300kg-60km/hの運動エネルギーの比率(約12:1)から換算した数値です。

当時の車両総重量は、およそ8.5t程度、そのうち前軸重量は約2.5tと推定しています。
(リアエンジンの一般的なバスの前後重量配分 30:70 の比から推定しています)
 
http://minkara.carview.co.jp/userid/361768/blog/8443394/

 摩擦係数0.7として、前輪を動かすのに必要な力は、約1.75tということになります。

 実際は車両の変形等で衝撃が吸収されるので、衝撃力がそのままバスを動かす力になるわけではありませんが、それを考慮しても、少なくとも「動かない」とは言いきれないと思います。

→【白バイの速度と回避行動】

 (追記)
 「斜行スリップ説」に対する疑問として、裁判所の認定ではバスは衝突後3m前進しているが、タイヤ痕は1mしかないのはおかしい、というものがあります。
 しかし、これは、車両の損傷による衝撃吸収や、タイヤに力が加わってもグリップ限界を越えるまではスリップしないということを考えれば、衝突と同時に滑り出すわけではなく、タイヤ痕が短くなるのは、むしろ当然であることがわかります。
 車両の破壊等による衝撃の吸収量や時間等についてのデータがないので、ここでは具体的にタイヤ痕の長さを計算することはできませんが、少なくとも、衝突と同時に滑り出す(タイヤ痕が付く)というのは不自然だと言うことはできます。


 
→【斜行スリップ説】改訂版
→【斜行スリップ説に対する疑問】
 
 
 

【タイヤ痕の謎?】初版 

 支援者の、タイヤ痕が偽物であるという根拠としては、
 1.溝がなく曲がってハの字になっている
 2.先端の部分が濃い(オタマジャクシ状)
 3.色が茶色い
 4.アスファルトの凹みまで黒くなっている
 5.時間経過で色が薄くなっている
 6.翌日には消えていた
 というもがあり、液体(清涼飲料水)で描かれたものだと主張しています。

 1.
 弁護側の事故鑑定人が、そのようなタイヤ痕はあり得ないと説明していますが、それは、単純に「急ブレーキ」だけで付いたブレーキ痕の話です。
 ネット上では、衝突の衝撃による前輪の横滑り=斜行スリップの可能性が指摘されています。

→【走行実験について】
→【斜行スリップ説】

 2.
 液体で描かれたタイヤ痕で時間とともに薄くなるのならば、薄い部分から先に消えていくはずです。
 ところが、タイヤ痕の写真では、むしろ、オタマジャクシの頭の方が薄くなっているようなものがあります。
 頭だけを塗り足したとか、何らかの液体がバスのタイヤを伝って接地面に入り込んだとか、斜行スリップで最後にタイヤがロックしたとか、ネット上でも諸説がありますが、現時点ではいずれも、決定的とは言えない感じがします。

 3.4.5.
 これは、写真の色調やコントラストの問題でしょう。
 実際、ネット上にアップされている写真を見比べてみると、路面のアスファルト自体の色や濃さもまちまちです。
 そのような写真で、タイヤ痕の色や濃さを比べて意味があるのでしょうか?

 6.
 これは、事故の翌日に現場を確認したという人の証言なのですが、バスの運転手の主張によれば、タイヤ痕の写真を見せられたのは事故の8ヶ月後、つまり、事故の翌日には、当然のことですが、タイヤ痕の問題が持ち上がっていませんし、タイヤ痕に関する情報もないわけです。
 この証言者は、そのような状況で現場のどこをどのように確認したのでしょうか?

→【記憶=真実?】
 
 (追記)
 支援者がタイヤ痕が捏造だと主張する根拠は、要するに、タイヤ痕が不自然なものである(あり得ない)というものですが、特にその形状に関しては(上記1.)「素人でもわかるお粗末なもの」などと言う人もいます。
 しかし、日頃交通事故を扱っているプロが、そのような稚拙な捏造をするというのもおかしな話です。
 そもそも、罪を着せるために証拠をでっち上げるのにわざわざ不自然な(説明ができない)ものを作るでしょうか?
 捏造のスキル(?)がなく、おかしなタイヤ痕しか描けなかったというのであれば、K氏が主張するように現場でタイヤ痕を確認させていないのなら、8ヶ月後に写真を見せるようなこともせず、タイヤ痕の捏造の方を隠蔽するでしょう。
 バスはABS付きだったのですから、支援者の理屈からすればタイヤ痕がなくてもバスが動いていた(急ブレーキをかけた)と主張するのには問題はありません。
 つまり、支援者の主張通りなら、警察は(鑑識も含めて)素人以下の知識しかないということになりますが、これはいくらなんでも無理があるでしょう。

→【8ヶ月後に見せられたタイヤ痕の写真】

 素人を騙すには十分であると考えたとしても、裁判になれば通用しません。
 だから、支援者は裁判所もおかしいという話をするのでしょうが・・・

地裁で惨敗した私達は高知県警科捜研の鑑定に対抗できる交通事故鑑定士を探していました。最初の鑑定士は業界では名が通った鑑定士でしたが、その先生の事務所は私達の送った資料を見ただけで「スリップ痕は本物」と判断された。「ンな馬鹿な!!」と別の鑑定士を探したが、どうにも見つからない。ある人にお願いしてやっと紹介していただいた鑑定士なんです。
http://littlemonky737.blog90.fc2.com/blog-entry-39.html

 この最初に依頼しようとした事故鑑定人も素人以下なのでしょうか?
 それとも、既に警察に抱き込まれていたのでしょうか?
 弁護側や支援者が、なぜタイヤの捏造に固執するのか、なぜ他の可能性を考えようとしないのか、非常に不思議です。

→【弁護過誤?】  
 


→【タイヤ痕の謎?】改訂版
 
 

【白バイの速度と回避行動】初版 

 裁判所の認定では、白バイの走行速度が60km/h+α、衝突速度は30~60km/hとなっていますが、衝突によりバスが「斜行スリップ」を起したと考えるならば、衝突時の速度は高い方が整合的です。
 しかし、衝突速度が60km/hだとすると、白バイはほとんど減速していないことになり、これは、不自然だと言うことで、支援者は白バイの100km/hを越える走行速度(減速して60km/hで衝突)を主張しています。
 しかし、減速せずに衝突することは、本当に不自然なことでなのでしょうか?

 検察(警察)側の鑑定では、白バイは右に車体をバンクさせた状態で、衝突したことになっています。
 これは、白バイが右旋回で回避を行ったということを意味します。
 現場の見通しは、最短でも約100mありましたから、仮に60km/hで走行していれば、これは確かに十分に停止可能な距離です。
 しかし、白バイは、直前になって旋回による回避を行った。
 バイクは急制動と急旋回は同時に行えません。
 つまり、回避行動を開始するタイミングが致命的に遅れていたということになります。
 問題は、その理由です。

 運転中に、自分の予測を裏切る他車の動きに不意を突かれ、ヒヤっとした経験はありませんか?
 走行中、前方に路外から道路に進入してくる車を発見、その車が自車が走行中の車線手前で一端停止ないし減速をしたら、ドライバー(ライダー)としてはどういう判断をするでしょうか?
 前方の車がこちらに進路を譲っていると思っても不思議はないですし、そのまま減速せずにバスの前方を通過しようとしても不自然ではないでしょう。
 しかし、道を譲っているというのが「勘違い」で、前方の車の運転手はこちらを確認しておらず、再び前進ないし加速を続けたら?

 計算してみました。

 60km/h、摩擦係数0.8での停止距離は30.22m(空走距離12.5m、制動距離17.72m)
 http://www.asahi-net.or.jp/~Zi3H-KWRZ/carstop.html
 (摩擦係数0.8は、バイク用ハイグリップタイヤを想定しました)

 仮に、白バイが60km/hで走行していたとして、バスが道を譲っていると判断し、衝突地点手前30mまでそのまま走行していたとしたら、停止するだけの距離の余裕はなくなります(停止が無理なら、旋回で回避するしかありません)。
 60km/hで30mを進むのにかかる時間は、約1.8秒です。

 検察側の主張する衝突地点は、道路端から7.2m(路側帯含む)
 道路幅は路側帯1.0m、第1車線3.5m、第2車線3.5m、右折車線 3.0m
 検察は バスが発進してから白バイと衝突するまで約5秒掛かっていると算出
 http://w7.oroti.com/~inout/log/genbashashin/ph_12.html

 単純計算では、衝突1.8秒手前は、第1車線と第2車線の境目付近です。
 バスがこの位置の手前で停止ないし減速をし、優先道路を走行する白バイ側が、こっちが通過するまでバスが待っていると思って走行を続け、そこからバスが発進ないし加速して出てきたとしたら、白バイは、回避行動が致命的に遅れ、ほとんど減速せずに衝突してしまうという可能性も、十分に考えられると思います。

 もちろん、白バイ側が「だろう運転」だったと非難することはできますが、少なくとも、減速せずに走行を続けたことが不自然であるとまでは言えないでしょう。

 (追記)
 仮に、バスが第1車線と第2車線の境目付近に一旦停止して、再発進の1.8秒後に10km/hで衝突したとすると、加速度は約1.54m/s2、進む距離は約2.5mとなります。
 衝突地点は、道路端(路側帯含む)から7.0m付近となりますが(路側帯1.0m+第1車線3.5m+2.5m)、検察の主張では7.2mですから、矛盾があるとは言えないでしょう。
 再発進時の加速度についても、旅客輸送に適する加速度は0.2G(1.96m/s2)未満とされているそうですから、矛盾がある数字ではないでしょう。

 (参考)
 バス運転のココロエ
 http://www.geocities.jp/untiyan/buskokoroe.html

 
 現場写真に、検察側が主張する衝突地点に向かって長く真っ直ぐに伸びるブレーキ痕のようなものが写っているのもがあり、白バイの急制動(高速走行をしていた)証拠ではないかという主張がありますが、事故を起した白バイ(ホンダVFR800P)はABSが標準装備ですから、直線状の長いブレーキ痕は残らないでしょう。

→【白バイは速度超過だった?】
→【バスの停止位置】



→【白バイの速度と回避行動】改訂版
  
 
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