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【弁護過誤?】 

 この件の裁判での弁護方針については、常識的に考えて、理解できないことが多すぎます。

 まず、事故の状況(バスが動いていたのか否か)が争点になっているのに、事故状況に関する鑑定をしていません。
 事故状況が争点になっているのならば、事故鑑定をして事故の状況を客観的に把握できていなければ、争いようがないでしょう。
 本来ならば、独自に事故鑑定を行い、バスが止まっていたという結果が出たら、検察側の鑑定結果の正確性について争い、バスが動いていたという結果が出たら、事故状況については争わず、過失と事故との因果関係に争点を持っていく、あるいは情状面で有利な量刑を求める、という方針になるはずです。

→【裁判での弁護について】
→【バス側の過失について】

 しかし、弁護側は鑑定をしていないのに、バスが止まっていた事に固執し、意味のない走行実験を行いました。
 弁護側事故鑑定人のタイヤ痕に関する説明も的外れです。

→【弁護側事故鑑定人の鑑定能力について】
→【走行実験について】
→【タイヤ痕の謎?】

 もっとも、事故鑑定人を選任する経緯についての話が事実なら、最初から捏造を主張するためだけに雇われた鑑定人だった可能性も考えられます。
 しかし、同時に、タイヤ痕が本物である可能性があるということもわかったはずです。

地裁で惨敗した私達は高知県警科捜研の鑑定に対抗できる交通事故鑑定士を探していました。最初の鑑定士は業界では名が通った鑑定士でしたが、その先生の事務所は私達の送った資料を見ただけで「スリップ痕は本物」と判断された。「ンな馬鹿な!!」と別の鑑定士を探したが、どうにも見つからない。ある人にお願いしてやっと紹介していただいた鑑定士なんです。
http://littlemonky737.blog90.fc2.com/blog-entry-39.html

 そして、タイヤ痕が事故に由来したものではないという主張ならまだしも、確たる証拠もないのに、警察が証拠を捏造したと主張しました。
 証拠捏造の方法などについては、まったくの想像に過ぎませんし、状況証拠すらありません。
 こんな主張が裁判で通用するはずもなく、逆に裁判官の心証が悪くなるであろうことは、弁護士でなくてもわかるでしょう。

 もっとも、警察による捏造という話に、K氏(被告人)が断固こだわったということなら、弁護士としては依頼人の意向に逆らえないということもあるでしょうから、この場合は、酷な言い方をすれば、K氏の自業自得とも言えるのですが・・・

→【量刑不当?】
 
 
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【バス側の過失について】 

被告人は(略)右方道路から進行してくる車両等の有無及びその安全を確認して同道路に進出すべき業務上の注意義務を怠り、(略)安全確認不十分のまま発進し、漫然と(略)同道路に進出して進行した(略)
(地裁判決文1頁)

被告人は、本件事故当時、大型バスを運転し、路外施設から路上に進出し、右折するつもりであった。被害者は、自動二輪車を運転し、被告人から見て右方から、第二通行帯を進行して本件事故現場に差し掛かろうとしていた。(略)
被告人が、本件現場において、路外施設駐車場を出発し、自歩道を越えて路上に進出しようとする際に、被告人運転車両運転席から右方の路上の見通し状況は、中央分離帯側において約98.6メートル、自歩道側において約168メートルであった。

(地裁判決文3頁)

 検察側の主張する衝突地点は、道路端から7.2m(路側帯含む)で、バスが発進してから白バイと衝突するまで約5秒掛かっていると算出しています。
 http://w7.oroti.com/~inout/log/genbashashin/ph_12.html
 衝突するまでの5秒というのは、衝突時の速度が10km/hとして、ゼロ発進から衝突するまで均等に加速した場合にかかる時間とほぼ一致します。※1

 検察側の主張(裁判所の認定)通り、バスが動いているときに白バイと衝突したとすると、バスの右折開始時点での白バイとの距離は、白バイの速度が60km/hで約83m、100km/hで約139m、120km/hで約167m。※2
 白バイの走行速度が60km/h(70km/h以下)だとすると、バスの発進時には白バイは死角から出ていますので、右方の安全確認を怠って道路に進入した過失が認められます。

 白バイの速度が70km/h以上であれば、バスの右折開始時点に死角に入っていたことになりますので、発進時に右方の安全確認を行っていたとしても白バイの接近は確認できません。
 しかし、見通しの最短が約100mだと、60km/hで走行している車が接近していたとして、死角から現れて約6秒で衝突地点に到達することになりますが、この時間的余裕では、バスは右折を完了する事ができません。
 つまり、横断右折中は右方の安全確認を怠ってはならず、接近車両を確認したら、当然ですが停止しなければなりません(この義務は、接近車両の速度とは無関係です)。

 白バイの走行速度が120km/hだとして、バスが発進してから、白バイが死角から現れるまでの時間は約2秒。※3
 7.2m/5秒の平均速度で計算して2秒で進む距離は約2.9m(加速過程があるので実際はそれ以下)。
 つまり、右方の安全確認を怠っていなければ、衝突地点の4m以上手前で白バイを発見できたことになります。
 10km/hからの停止距離は2.64m(摩擦係数0.7)です。
 http://www.asahi-net.or.jp/~Zi3H-KWRZ/carstop.html

 バスは、衝突前に十分に停止可能だったということになります。

→【白バイは速度超過だった?】
→【横断等禁止違反】

 ※1
 衝突までの時間がこれよりも短かったとすると、バスの右折開始時点での白バイとの距離も短かったことになります。
 発進してから衝突までの時間を4秒で同様に計算すると、白バイの速度が120km/hだとして、バス発進時での白バイとの距離は約133m、バスが発進してから、白バイが死角から出てくるまでの時間は約1秒、7.2m/4秒の平均速度で計算して、1秒で進む距離は約1.8m(衝突地点の約5.4m手前)です。
 5秒で計算したときよりも余裕があり、衝突までの時間が短い方がバス側に有利になるとは言えないことがわかります。

 ※2 ※3
 衝突時の速度が60km/hだとすると、60km/h以上で走行していたときは衝突までに減速していますので、白バイが死角から現れてからの平均速度は遅くなりますから、実際の距離は計算した数値より短くなります。
 つまり、バスが発進してから白バイが死角から出てくるまでの時間も、よりも短くなり、さらに手前で発見できることになります。

 (補足)
 この記事での考察は、「結果の回避可能性が存在しない場合、過失犯は成立しない」という判例理論をベースにしています。
 これは、仮に注意義務を怠らず、結果回避のための適切な行為があったとしても、結果発生を防止できたと言えないような場合は責任を問えない、というもので、この点は、起訴に際して検察も検討しているはずです。
 
 

【横断等禁止違反】 

道路交通法25条の2第1項(横断等の禁止)
車両は、歩行者又は他の車両等の正常な交通を妨害するおそれがあるときは、道路外の施設若しくは場所に出入するための左折若しくは右折をし、横断し、転回し、又は後退してはならない。


 バスの運転手(以下、K氏)は、横断等禁止違反で行政処分を受けています。
 現場は、国道側に常時黄色点滅信号がありますが、これは通行注意の意味であって、交通整理が行われているわけではありません。
 あくまでも、国道側が優先ですから、路外から進入する車両は、優先道路を走行する車両の交通を妨げてはなりません。
 裁判所が認定した(検察側主張の)事故状況ではもちろんですが、弁護側の主張を全面的に認めても、横断等禁止違反になります。

 弁護側の主張では、バスは中央分離帯付近で右折待機していました。
 つまり、左方からの車両が途切れたことを確認していたわけではなく、右方からの車両が途切れた段階で、横断右折を開始したことになります。
 現場は、路側帯と右折車線を含めて道幅の合計は約11m、バスの全長は約9mで、弁護側が主張する停止位置からすると、バスは国道の車線を全て塞いでいたことになります。 
 右折待機中に右方から車両が来れば、当然、その交通を妨げることになりますし、交通量が決して少ないとはいえない日中の国道ですから、危険な行為ではないと言うことはできないでしょう。

 そんなことを言ったら、大型車両で横断右折するのは不可能だという主張がありますが、その通りです。
 横断右折すべきではありません。
 にもかかわらず、右折したいというバス側の都合で横断右折を、あえて行ったのですから、横断右折中に事故が起きたときに(たとえ相手が速度超過であったとしても)、バス側に責任がない(不可抗力である)とは、到底言うことはできません。

 もちろん、裁判での起訴事実はバスが動いていたことが前提ですから、もし、弁護側が主張しているようにバスが止まっていた時に起きた事故ならば、K氏は「無罪」です。
 裁判を離れて、事故の責任を考えた場合、支援者が主張しているように、バス側には事故の責任が無い(悪くない)とは言えないということです。

 (補足)
 道路交通法違反に該当する行為があるからと言って、即、業務上過失致死罪における過失が認められるということではありません。
 裁判所が認定した過失は、安全確認を怠り道路に進出進行した過失です。


 (追記)
被告人の業務上過失の不在
被告人は 歩道の直前 また 車道の直前にて一旦停止を行い、左右の安全を確認している。
その時 見通し距離内通行車両が無いことを確認して国道に進入している。
その後、道路の中央付近で一旦停止し、右折のための安全確認をしていた。何台かの車をやり過ごし、右折しようかとして時、衝撃を感じた。
従って。道交法とおりの運転であり、業務上の過失は無い。

http://blogs.yahoo.co.jp/littlemonky737/8453843.html
 
 国道進入時に、左右の安全を確認し、見通し距離内通行車両が無いことを確認して国道に進入しているのならば、なぜ、改めて、道路の中央付近で一旦停止し、右折のための安全確認する必要があるのでしょう?
 見通し距離内に通行車両が無いことを確認して国道に進入したにもかかわらず、道路の中央付近で一旦停止し、右折のための安全確認をしなければならなくなった、その理由(状況)が、説明されていなければ、道交法通りの運転であり、業務上の過失が無いとは、言えないはずです。
 (細かいことを言えば、「道路の中央付近で一旦停止」という表現も、弁護側の主張からすると適切なものとは思えませんが、さて置きます)

→【バス側の過失について】
→【参考判例】
  
 

【斜行スリップ説】 

 タイヤ痕が捏造されたという主張に対して、実際に事故でタイヤ痕が付いたのではないかという指摘(「横滑り説」「斜行スリップ説」などと呼ばれています)が、早い段階から掲示板等でなされていました。
 これは、衝突時(後)にバスが動いていた(動いた)ことが前提になっていますので、バスが衝突時前後を通じでバスが止まっていたとする弁護側の主張と対立する事となり、支援者からは「目の敵」にされましたが、掲示板やブログを見ればわかりますが、論者は、裁判で認められなかった弁護側証人の証言内容との整合性を取ろうとしており、弁護側に敵対するつもりはなかったようです。

 carview掲示板 高知の白バイとスクールバスの事故
 http://www.carview.co.jp/bbs/115/?bd=100&pgcs=1000&th=2868800&act=th ※掲示板閉鎖
 いい日旅立ち-バス乗り
 http://minkara.carview.co.jp/userid/361768/blog/
 事故を高校物理で考える
 http://minkara.carview.co.jp/userid/351012/blog/

 「斜行スリップ説」は、バスの前輪前方に白バイが衝突した衝撃でバスの前輪が横滑りを起したというものです。
 ただし、バスが止まっている状態ですと、バスの後輪車軸の中央付近を軸とした回頭運動となり、前輪の軌跡は円弧状になります。
 では、バスが前進している状態でこの現象が起きたらどうなるでしょうか?
衝撃力で動いた分は、タイヤが横ズレした分であり、それが、タイヤが前進(回転)する事で縦に引き伸ばされたというイメージです、つまり・・・

・タイヤ痕の長さ1mまるまる白バイが動かしたというわけではありません。
・タイヤは回転しているので、タイヤ痕に溝は残りません。
・前進と横滑りの速度の変化で、タイヤ痕は湾曲します。
・前進に回頭運動が加わるので、タイヤ痕は平行(間隔が同じ)にはなりません。
・横滑りを起したのは前輪だけですから、後輪の痕が付かないのは当然です。

横滑りによる回頭運動とタイヤ痕

 路面にタイヤ痕が残るという現象は、タイヤがグリップを失い滑るときに起きます。
 タイヤのグリップについては、「摩擦円」で考えるとわかりやすいと思います。

 (参考)
 タイヤのグリップ力
 http://www.kurumano-gakko.com/drive/grip.html

 タイヤには「駆動力」「制動力」「コーナリング・フォース」が加わりますが、それらの合計がタイヤの路面との間で生じる摩擦力を越えると、タイヤは滑り出します。
 駆動力が過剰だと「ホイール・スピン」、制動力が過剰だと「ブレーキ・ロック」、コーナリング・フォース(によって旋回するときに発生する遠心力)が過剰だと「ドリフト(スピン)」です。
 このコーナリング・フォース(遠心力)の代わりに、衝突による衝撃がタイヤに加わってタイヤのグリップ限界を越えたというのが、「斜行スリップ説」の考え方で、タイヤ痕が残るのに、必ずしも、急ブレーキやタイヤロックが必要ないということがわかります。

 「斜行スリップ説」に対して、10km/hの走行速度では、タイヤのグリップが失われる事はないという反論がありますが、それは、通常走行でのコーナリングの話で、衝突の衝撃が加わる場合は、通常走行とは条件が違う異なった現象になります。

 なお、上記のブログでは、白バイの速度が100km/h以上だったと結論付けていますが、これは、バスが止まっていたという証言に合致させるために、衝突と同時にバスが前進(加速)を開始したという過程で計算したためだと思われます。

(略)このスリップ軌跡の前提として、バスは停止状態で衝突したとしても、スリップ(スライド)中は加速をするなどして、それなりに前進していなければならないことになります。
http://minkara.carview.co.jp/userid/351012/blog/7843798/

(略)バイクの衝突速度は高く、バスの角度が大きい方が、バスが止まっていたとの主張に合致しやすい(略)
http://minkara.carview.co.jp/userid/351012/blog/7843961/

 また、バイクの速度は「旋回限界R」から速度を計算していますが、これはフルバンクの状態での旋回速度の話であって、バイクは旋回開始と同時にいきなりフルバンクの状態にはなりません。
 つまり、同じ走行ラインを取るならば、実際は「旋回限界R」で計算した速度より、当然遅くなります。

→【斜行スリップ説に対する疑問】
→【裁判ではタイヤ痕はどのように認識されていたのか?】
→【再審請求/三宅鑑定】
→【三宅鑑定/タイヤ痕捏造疑惑】 
 

【斜行スリップ説に対する疑問】 

→【斜行スリップ説】

●白バイが衝突した衝撃でバスは動くのか?

 白バイの速度が速ければ、それだけ衝撃力も大きくなるのですが、裁判所が認定した60km/hで衝突した場合、バスの前輪が横滑りを起す可能性はあるのでしょうか?
 まず、バスの前輪を動かすのに必要な力ですが・・・

当時の車両総重量は、およそ8.5t程度、そのうち前軸重量は約2.5tと推定しています。
(リアエンジンの一般的なバスの前後重量配分 30:70 の比から推定しています)
 
http://minkara.carview.co.jp/userid/361768/blog/8443394/

 摩擦係数0.7として、前輪を動かすのに必要な力は、約1.75tということになります。
 次に、衝突の衝撃力ですが・・・

財団法人日本自動車研究所によると、重さ一・三トンの乗用車が時速百キロでコンクリート壁に衝突すると、約百トンの衝撃力が加わる。
http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sougou05/0428ke91810.html

 運動エネルギーは速度の二乗と重さに比例するので、白バイの総重量が300kgだとして、上記のデータに基づいて1300kg-100km/hの運動エネルギーと300kg-60km/hの運動エネルギーの比率(約12:1)から換算すると、白バイが速度60km/hで衝突した場合の衝撃力は、あくまでも単純計算ですが約8.3tということになります。
 実際は、衝撃力がそのままバスを動かす力になるわけではありませんが、それを考慮したとしても、少なくとも「動かない」とは言いきれないと思います。

 (追記)
 弁護側が行ったPCシミュレーション(下記動画 6:38-7:30)でも、白バイの衝突によってバスの前輪は横滑りを起しています。

 高知白バイ衝突死(30)裁判所の異例の提案…何だったの?(KSB瀬戸内海放送)
 http://www.ksb.co.jp/newsweb/series/kochi/2815

●タイヤ痕の長さについて

 裁判所の認定ではバスは衝突後3m前進していますが、タイヤ痕の長さは1mです。
 この点、衝突後2m前進してからタイヤが滑り出すのはおかしいという指摘がありますが、これは、必ずしも不自然な現象ではないと思います。

 自動車事故の衝突時間(衝突によって力が加わっている時間)は、0.1~0.2秒とされています。
 衝突時からバスは3m前進していますが、最初の2mはタイヤ痕がありませんから、この間はタイヤはグリップを失っていない(普通に前進している)ということになります。
 つまり、衝突時間を除いても、1秒程度(10km/hからの一定の減速で計算)は、何らかの理由で衝突によるエネルギーが吸収され、タイヤにグリップ限界を越えるような力が加わっていなかったということです。
 車体の破壊は衝突時間でほぼ終了していますから、車体の変形による吸収は考えられません。
 では、どのようなメカニズムでがエネルギーが吸収されたのか?
 考えられるのはサスペンションの働きです。

 つまり、バスの車体(ボディ)は衝突直後から左方向に流れますが、タイヤは、サスペンションを介してボディに追従するので、ボディと一体となっては動かない(滑らない)ということです。

 まず、衝突時間の0.1~0.2秒で、バスのボディに力が加わり、ボディは横方向に動き出します(衝突エネルギーの運動エネルギーへの変換)。
 もし摩擦等の抵抗がまったくなければ力を加え続けなくてもボディは動き続けますが、タイヤと路面との間に摩擦抵抗が生じていますから、タイヤとボディを繋いでいるサスペンションは傾きながら引っ張られる(伸びている)状態になっています。
 つまり、衝突で動き出したボディがサスペンションを引っ張り、サスペンションはボディに引っ張られ、傾きながら伸びてタイヤを引っ張るわけです(車体はロールします)。

 サスペンションが伸びている間は、ボディの運動エネルギーが吸収されていますので、その分、タイヤに伝わる力は軽減されていますから、タイヤを引っ張る力が路面との摩擦抵抗以下である間は、タイヤはグリップを失わず滑り出すことはなく、普通に前進するだけです。
 しかし、その間もタイヤは引っ張られ続けていますから、サスペンションによる力の吸収が間に合わなくなり、タイヤを引っ張る力が路面との摩擦抵抗を越えた瞬間、一気にタイヤが滑り出すことになります。

 ボディが動き出してから、サスペンションがエネルギーを吸収しきれなくなるまでの時間は、サスペンションのストローク量と、ストロークスピードによりますが、前者はスプリングのバネ定数(スプリングレート)、後者はショックアブソーバー(ダンパー)の減衰力に左右され、バネ定数が低いほどストローク量は大きく、減衰力が小さいほどストロークスピードは速くなります。
 バネ定数や減衰力のデータがないので、具体的な計算はできませんが、バスが横揺するときの感じ(大きくゆっくりとロールする)からすると、1秒という数字も、あり得ないと言い切ることはできないと思います。
   
 このときのバスの姿勢については、サスペンションとボディの取付部分が無可動で固定されていれば、サスペンションの傾きと車体の傾きは一致しますが、実際は、サスペンションと車体の取りつけ部分は可動します(角度が変わります)。
 白バイが衝突した位置(高さ)とバスの重心高から考えると、重心高の方が高いですから、衝突時にバスの車体自体(バネ上)はバスの正面から見て左に傾くはずです。
 先の考察の通りなら、サスペンションはタイヤが滑り出すまで正面から見て右に傾き続けます(傾斜が進行します)から、バスは車体とサスペンションが > 状(逆「く」字状)になりながらロールすることになります。

 (ロールのイメージ)
 https://www.youtube.com/watch?v=sCsQHAsZLF4
 https://www.youtube.com/watch?v=qaG7_jTOjhM
 https://www.youtube.com/watch?v=Eg58uYkOGzk

 (参考)
 衝突科学の基本
 http://www.e-kantei.org/ziko/koutu18.htm
 
 (追記)
 衝突してからタイヤが滑り出すまでのタイムラグは、計算上は約1秒になりましたが、制動停止時の空走距離算定でも、1.0秒という数値が使われているようです。
 これは、ブレーキを操作しようとしてから、実際に制動がかかるまでのタイムラグなのですが、タイヤのグリップ力に関する摩擦円の理論で考えれば、横方向の力に耐えていたタイヤが、制動がかかった瞬間にブレイクした(急にグリップを失った)という可能性も考えられます。

 
 http://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/max-speed/k_3/pdf/s5.pdf

 (参考)
 タイヤのグリップ力
 http://www.kurumano-gakko.com/drive/grip.html

 (追記2)
 弁護側が行ったPCシミュレーション(下記動画 6:38-7:30)でも、白バイの衝突によってバスの前輪は横滑りを起していますが、タイヤ痕がつかなかっと事故鑑定人が説明しています。

 高知白バイ衝突死(30)裁判所の異例の提案…何だったの?(KSB瀬戸内海放送)
 http://www.ksb.co.jp/newsweb/series/kochi/2815

 つまり、横滑りが起きても、タイヤ痕が残るかどうかは条件次第であって、横滑りした距離よりもタイヤ痕が短くても、必ずしも不自然だとは言えないということになります。
 
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