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【裁判での弁護について】 

 本件の裁判では衝突時にバスが動いていたか否かが争点になっています。
 これは、検察側の起訴事実が、衝突時にバスが動いていたというものであったからで、バスが止まっていたのならば、「無罪」ということになります。

 つまり、弁護側としては、バスが止まっていた事を証明できれば、警察による証拠の捏造があったか否かとは関係なく、「無罪」を勝ち取る事ができるわけです。
 さらに言えば、起訴事実についての立証責任は検察側にありますから、弁護側は、バスが止まっていた事自体を立証する必要はなく、検察側のバスが動いていたという立証が不十分であることを証明できればいいのです。

 検察側は、バスが動いていたことの証拠として、科学捜査研究所の算定書(事故鑑定結果)を提出しています。
 これに対して、弁護側が出した証拠は、バスが止まっていたという「証言」ですが、一般に、裁判における証拠の「証明力」では、物証(鑑定)>証言であり、物証と証言が矛盾した場合は、裁判官は物証の方を採用するのは、ある意味、当然のことです。
 これは、証言というのは、人の感覚や記憶に基づくものですから、どうしても勘違いや記憶違いといった可能性を考えざるを得ないからです。

→【記憶=真実?】
→【弁護側証人の証言が採用されなかった理由】

 つまり、鑑定結果を覆そうとした場合、証言だけに頼るというのは無理があり、鑑定内容に間違いがあることを、客観的科学的に証明する必要があります。

 もし、弁護側が主張する事故状況が真実であるとするならば、車両の損傷状況や位置関係などから、バスが止まっていたという鑑定結果が出てくるはずです。
 これは、裁判で検察側が提出している写真や計測値から十分に可能です。

 (参考)
 高度な特殊画像解析法により真実を立証する
 http://www.e-kantei.org/ziko/koutu08.htm
 裏付けのある高精度作図技法により真実を立証する
 http://www.e-kantei.org/ziko/koutu09.htm
 車両痕跡や人体損傷 位置を正確に割り出す事により真実を立証する
 http://www.e-kantei.org/ziko/koutu10.htm

 また、弁護側が主張するように、警察による証拠の捏造があったとすれば、捏造された証拠はバスが動いていたことを示し、捏造されていない証拠はバスが止まっていたことを示すわけですから、証拠同士に矛盾が生じる事になります。
 この点を突けば、検察側の鑑定結果の信用性を失わせる事ができますし、証拠に人為的介入があった可能性を強く窺がわせる根拠にもなります。

 しかし、弁護側が二審で提出しようとしていたのは、急ブレーキの実験に関する鑑定であり、事故状況に関する鑑定ではありませんでした。
 この急ブレーキ実験は、検察側が主張する事故状況を再現しておらず、反論(証拠)としての意味がありません。
 弁護側が、独自に事故状況の鑑定をしなかったことは、また、支援者から事故鑑定をすべきだという主張が出てこないことは、本当に不思議です。

→【バスが動いていた物的証拠】
→【走行実験について】

 (追記)
 同じ白バイが関係した事故ということで、よく引き合いに出される「愛媛白バイ事故」では、刑事では無罪(当事者が未成年だったので「非行事実なし」)となり、現在、民事で国家賠償請求訴訟を行っています。
 その準備書面では、具体的な数値と計算に基づいて、警察の鑑定結果に対して、客観的に疑問点や問題点を指摘しています。
 これが、弁護士と事故鑑定人の本来の仕事でしょう。
 http://blogs.yahoo.co.jp/toshikazu2355/23583911.html 

→【弁護過誤?】

 
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【弁護側証人の証言が採用されなかった理由】 

 裁判では、弁護側証人として、事故状況について校長と教員、白バイの走行速度について軽トラックの運転手が証言しましたが、いずれの証言も採用されませんでした。
 弁護側証人は第三者なのに証言が却下され、逆に、検察側証人の証言は同僚(身内)なのに採用されたということで、裁判所は不公平であるという支援者の主張がありますが、これは誤解に過ぎません。
 証言は、人の感覚や記憶に基づくものですから、錯覚や勘違いや記憶違いといった間違いがある可能性があります。
 弁護側証人の証言が採用されなかったのは、物的証拠(鑑定結果)と矛盾したり、目撃状況に関する説明が曖昧だったり不自然だったりしたからです。

(略)被告人運転車両が停止中に衝突が生じたという趣旨の両名の証言は、これまで検討してきた路面擦過痕や沿う方の車両の損傷状況といった衝突状況を示す欠陥敵証拠からの認定に反するものであり、衝突態様についての証明力は乏しいと言わねばならない。
(地裁判決文13頁)

(略)B氏の原審供述によれば、Bは、ずっと第一車線を進行したというのであって、左方道路から国道に進入してすぐに第二車線を進行したという白バイを追尾していたものではない。また、B氏が自車の速度計を確認したとしても、B氏は、原審で、白バイは第二車線に進入してから加速した旨供述している(略)から、速度を正確に認識しえたか疑問がある上、白バイの速度が感覚にすぎないことを自認しているほか、(略)不自然不合理な部分もあるから、正確性は低い。
(高裁判決文15頁 ※B氏=軽トラックの運転手)

→【記憶=真実?】

 また、裁判で証言に反する物証があれば、証言の方が間違っていると判断するのが普通です。
 つまり、証拠の証明力は、物証>証言です。

 立場を逆にして考えてみてください。
 検察側は証人の証言のみで、事実関係を立証しようとした。
 弁護側は物証に基づいた鑑定を行い、検察側証人の証言と異なる事実を示した。

 もしこれで、裁判所が検察側証人の証言を採用して有罪にしたら、それこそ冤罪の虞がある不公正な裁判でしょう。
 支援者は、不公正な裁判が行われたと主張していますが、むしろ公正だったからこそ有罪になったのです。

 もちろん、鑑定が間違っていることもあるのですが、裁判でそれを主張するには、鑑定のどこがどう間違っているのか、具体的客観的に指摘する必要があるということです。
 この裁判では、弁護側も独自に鑑定を行い、異なる結果になることを示さなければならなかったのです。

→【裁判での弁護ついて】
 
 

【バスが動いていた物的証拠】 

 裁判では、タイヤ痕以外にも、路面の擦過痕、バスのフロントパネルの凹傷、バスのフロントバンパーの破損状態、といった、バスが動いていたことを示す物証が提示されています。

(略)算定書は、(略)衝突現場の状況並びに被告車及びY車の各諸元及び損傷状況等を元に、物理の専門家の立場から、被告車及びY車の衝突時の各速度を算定したものである、そうすると、基になる資料は、本件事故直後のスリップ痕様のもの、擦過痕、被告車及びY車の各諸元等である以上、(略)
(高裁判決文12頁 ※Y車=白バイ)

 路面の擦過痕は、白バイが転倒後にバスに引き摺られて出来たもの、フロントパネルの凹傷は、白バイのハンドル(グリップエンド)が当たって出来たもの、フロントバンパーの破損は、白バイのフロントタイヤに横から押されて折れ曲がったものと、それぞれ説明されています。
 つまり、裁判所の認定した衝突の状況(過程)は以下のようになります。

 ・前進しているバスのフロントバンパーの側面部分に、白バイが衝突
 ・白バイは、バスのフロントバンパーを押し曲げるように破壊しながら前進
 ・バスは白バイの前部を押しながら前進、フロントパネルと白バイのハンドルが接触
 ・白バイは右回りで転倒、バスとほぼ平行な状態になり引き摺られる


白バイ(破損右ステア)とバスの損傷との位置関係    

バスと白バイの位置関係1 バスと白バイの位置関係2 白バイ停止位置3

 これに対して、弁護側が主張する衝突状況は止まっているバスに、白バイが右旋回しながら浅い角度で衝突したというものです。
 最終停止位置の車両の位置関係、白バイが直前に転倒してたとすれば、路面の擦過痕の説明はできそうですが、フロントパネルの凹傷とフロントバンパーの破損状態の説明はできるのでしょうか?
 これは、事故状況の鑑定がなされなかったことと合わせて、是非、弁護側事故鑑定人の説明が聞きたいところです。

 路面の擦過痕については、これも捏造されたものという主張がなされ、フロントパネルの凹傷については、ハンドルではなく、白バイ隊員のヘルメットが当たって出来たもの、という見解がありますが、フロントバンパーの破損状態についての説明には、支援者も窮しているようです。

→【裁判での弁護ついて】 
→【路面の擦過痕】
→【バスの損傷状況】
→【白バイの破片の散乱状況】
 
 

【車内で撮影された写真】 

 弁護側は、二審で、新証拠として、事故直前にバスの車内で生徒が撮影した写真の証拠申請を行ったようですが、証拠調べは行われませんでした。

中央分離帯付近、つまり我々が主張している衝突地点で撮影された写真1葉(略)
バスの外の風景と、バスの中をみると明らかに右折態勢を取って停止しているのがわかる。
撮影したのは女子生徒。道路に進入してからバスの揺れが収まるのを待って撮影、つまり停止後に撮影と証言している。
写真撮影した彼女は、写真が「不同意」とされても「証人」として法廷に立つ予定だった勇気ある女子高生。

http://blogs.yahoo.co.jp/littlemonky737/23162145.html

 この説明では、停止位置の証拠として、写真の証拠申請をしたようですが、しかし、この写真がマスコミに取り上げられたときの説明では・・・

ここに、事故直前にバスの車内で撮影された、1枚の写真がある
この見えている景色は、バスが道路に進入する時と、ほぼ一致する

http://www.youtube.com/watch?v=ju1SsyKvYTg
09:50-

 道路に進入する時と、ほぼ一致、ということは、弁護側が主張する衝突地点で撮影されたものではないということになりますが、弁護側はこの写真でいったい何を証明するつもりだったのでしょうか?
 
 (追記)
 生徒写真の撮影位置(生徒の証言によれば、バスが停止していた位置)について、支援者の説明がありました。

その写真の撮影位置を解析すればバスの停車位置がわかるというものだ。
それに異論はない。もちろん、私達もその写真の存在が分かった時、2007年だったか・・その当時は色めき立った。
撮影者が生徒であったから、なおさら慎重に現場で検証した。 同じバスを使い、撮影者も被写体となった生徒も同一人物を使い、それぞれ同じ座席位置から、ファインダを覗いては、手元の撮影写真と見比べては撮影を繰り返した。
その結果、撮影された写真は、路上で撮影されたモノでないのは明らかという事が判明した。
 
http://blogs.yahoo.co.jp/littlemonky737/69152786.html

 刑事裁判で、弁護側は、衝突時にバスは「最終停止位置」で右折待機をしていた(停車していた)と主張し、その証拠として、支援者と一部メディアが、バスが止まっていたという生徒の証言を取上げてきました。
 しかし、上記引用の支援者の説明が正しいのであれば、生徒が止まっていたと証言したバスの停止位置は、「最終停止位置」ではなく、「国道の手前」ということになりますから、生徒の写真と証言は、むしろ弁護側の主張を否定するものであり、高裁で証拠調べが行われなかったことは、弁護側にとっては、むしろ「幸い」だったということになります。

→【ネット上で見られる誤解】
→【テレビ朝日ザ・スクープSP「誤報」問題】
→【再審請求/裁判官の「提案」? 】
 
 

【走行実験について】 

 二審で、弁護側は、「走行実験」の結果(鑑定)を証拠として提出しましたが、証拠調べは行われませんでした。
 この実験では、実車と同じモデルのバスを使って急制動を行い、10km/h(裁判所の認定による衝突時のバスの速度)では1mを越えるようなタイヤ痕はつかないという結果になりました。 
 http://blogs.yahoo.co.jp/littlemonky737/32114981.html

 また、専門家や技術者が、10km/hからの急制動では1mを越えるようなタイヤ痕は付かないと説明しているという話もあります。

 私もこれは、その通りだと思います。
 ただし、急ブレーキのみで、他の条件が加わらなければ、の話ですが。

 弁護側の実験の問題点は、白バイが衝突したことによって、バスの前部側面に衝撃が加わったことや、バスが白バイの車体を引き摺ったことなどを全く無視している(裁判所が認定した事故状況の再現に全くなっていない)ことです。
 そのような実験でタイヤ痕がつかない結果になったとしても、裁判所が認定した事故状況でタイヤ痕が付かない証明にはなりません。
 つまり、弁護側が行った実験の結果は、証拠(証明)としての意味がないのです。
 裁判所が証拠調べをしなかったのは、当然でしょう。

しかも、スリップ戻様のものが、上記のとおり、停止地点からやや右に流れるようになっていたことからすると、進行していた被告人車が、Y車に衝突され,前部に絡み付くように停止したから、被告人車のタイヤが、横滑り(あるいは同時にロックも)して停止したことによって形成された可能性もあるから、被告人車のタイヤが完全にロックされていた、すなわち、急制動があったとは限らない。
(高裁判決文8頁)

→【タイヤ痕の謎?】
→【裁判ではタイヤ痕はどのように認識されていたのか?】

 (追記)
 タイヤ痕が付かないことを実験で証明しようとするならば、タイヤ痕生成に影響があると考えられる物理的条件の再現が不可欠となります。
 検察側が主張(裁判所が認定)した事故状況は、バスが10km/hで走行中に白バイが側面から衝突したというものですから、少なくとも、バスが停止に至る過程で、車体側面に一定の力(衝撃)を加えなければなりません。
 逆に、一定速度から一定距離で停止できればいいので、急ブレーキは絶対的な条件ではありません。
 つまり、弁護側がしなければならないのは、走行(急ブレーキ)実験ではなく衝突実験なのです。

 実車を使っての衝突実験は危険ですし、現実的には無理でしょう。
 しかし、コンピューターを使ったシミュレーション実験は可能ですし、実際、交通事故解析ソフトにによる事故鑑定は裁判の証拠としても使われてるようです。
 検察側が主張する事故状況から想定される条件下で、シミュレーションを行い、タイヤ痕(タイヤが動いた軌跡)とシミュレーション上のバスの動きが一致することがなければ、タイヤ痕が付かないという証明になります。

 (参考)
 交通事故解析ソフト
 http://www.e-kantei.org/ziko/koutu13.htm
 
 
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